「もうすぐ初めての出産。ベビー用品はひととおり準備できたし、名前の候補も決まってる。でも、『出生届』をどうやって提出するのかイマイチわかっていない……」
初めての出産はただでさえあわただしいのに、「役所に書類を提出する」となると、なんだか大変そうに聞こえてしまいますよね。
今回は、そんな方が安心して出産を迎えられるように「出生届の基礎知識」をまとめてみました。
(※記事の内容は2016年6月17日時点のものです。念のため、お住いの地域役所などにもご確認ください)
目次
そもそも「出生届」ってどんなもの?
「出生届」とは、赤ちゃんが生まれた後、その子を父母の戸籍に記載してもらうために届け出る用紙のことです。届けを出すことによって父母の戸籍に記載され、法律上、子供が生まれたことが認められます。
父母の住民登録がなされている地域の役所で出生届を提出すると、住民登録の手続きもするように促されます 1。住民登録をすることにより、さまざまな住民サービスが受けられるようになります。
一般的に、用紙は横長のA3サイズで、左半分が子供の父母が記入する「出生届」、右半分は出産に立ち会った医師または助産師が記入する「出生証明書」となっています。
>>サンプル・記載例はこちらから(法務省のサイトに移動します)
いつ、どこで、だれが入手すればいい?
出生届は役所の担当窓口で入手できますが 2、出産する病院で準備してくれていることも多いようです 3。
なお、出生届のフォーマットは全国共通のため、本籍地・居住地以外で入手した出生届を使用することもできます 4。たとえば、里帰り出産先の役所であっても入手することが可能です。
なお、病院で準備してくれる場合には「出生証明書」の部分がすでに記入された状態でもらえることが多いようです 5。
届出用紙に記入する内容と注意点は?
「出生届」部分に記載する項目は次の通りです 6。たくさんありますが、間違えてしまわないよう順番に確認していきましょう。
提出日/宛名を記入する
まずは「提出日」と「宛名」を記入しましょう。
- 届出日(生まれた日ではなく「用紙を提出する日」を記入)
- 宛名(「○○長殿」の○○の部分に、提出する市区町村名を記入)
子供の名前/続柄/性別/生まれた日時を記入する
次に、子供の氏名、続柄、性別、生まれた日時を記入します。
- 子の氏名・ふりがな
- 父母との続き柄(嫡出子かそうでないかを記入)
- 性別(性別のチェック欄の前に、長・二・三などと書き、長男/長女のような形にします)
- 生まれたとき(年月日および時間)
- 生まれたところ(生まれた病院などの住所を記入)
住所/世帯主の情報を記入する
住所、世帯主の情報を記入します。
- 住所(通常、両親が住所登録している住所を記入)
- 世帯主の氏名・フリガナ(住民票に記載されている世帯主の氏名を記入)
- 世帯主との続き柄(「子」「子の子」など、世帯主から見た子供との関係性を記入)
父母の情報を記入する
住所、世帯主の情報を記入したら、次は父母の情報です。
- 父母の氏名・生年月日
- 子が生まれた時点での父母の年齢
- 本籍(戸籍に記載されている本籍を記入)
- 本籍の筆頭者氏名(非嫡出子の場合は母親の戸籍の筆頭者を書き、後に新たな戸籍を作成する 7)
- 同居を始めたとき(同居を始めた日/挙式日のいずれか早いほうを記入)
- 子が生まれたときの世帯の主な仕事(6つの選択肢のうち最も近いものを選択)
- 父母の職業(※国勢調査が行われた年度内に子が生まれた場合のみ)
届出人の情報を記入する
いよいよラストスパートです。最後に「届出人」の情報を記入しましょう。
- 届出人(原則として生まれた子の父か母を選択 8)
- 届出人の住所
- 届出人の本籍
- 届出人の署名
- 届出人の生年月日
- 届出人の押印(シャチハタ以外が望ましい)
住所・本籍地の番地の表記は、ふだん郵便物の受取などで使用しているものと異なることがあるので、気をつけてください。事前に住民票を請求しておくと、後であわてなくても済みますよ。
できあがったら見直しをし、間違いがないことを確認します。最後に「届出人の捨て印」を欄外の枠に押して完成です。
書き終わったらどこに提出するの? 期限はいつまで?
いつまでに提出するの?
出生届は赤ちゃんが産まれた日を1日目と数えて、そこから14日以内に提出する必要があります 9。なお、海外で出産した場合には3ヶ月以内に提出しなければなりません 10。遅れると過料(罰金)が科せられる場合もある 11ので気をつけてくださいね。
なお、出生届の受付時間帯は各役所によって異なりますが、夜間・土日祝日であっても提出は可能となっているようです。夜間・土日祝日に提出した場合には、その場で受理されるのではなく、翌開庁日などに担当職員が内容を確認できた段階で受理されます 12。
どこに提出するの?
法務省のサイトによると、出生届の提出先は下記のようになっています。
【出生届の提出先】
子の出生地・本籍地又は届出人の所在地の市役所、区役所又は町村役場(出典: 法務省「出生届」)
これによると、「届出人の所在地」でも提出が可能ということですので、たとえば「旅行先の役所に提出する」なんてこともできそうですよね。
しかし、基本的に出生届は「親の住民票がある市区町村役所」で提出するのがおすすめです。というのも、たとえば児童手当など、「(扶養に入れる)親の住民票がある市区町村役所」でしか手続きできないものがあるため、それ以外の役所で出生届を提出すると、二度手間になってしまうのです 13。
忘れないように注意。提出時に持っていく6つのもの
さて、次は実際の届出に必要な持ちものを確認しましょう。持ちものは次の6点です。1~4は必ず持っていくもの 14、5・6はそれぞれ必要に応じて持っていくものです。
- 出生届と出生証明書
- 届出人の印鑑(届出用紙に押したものがベスト、シャチハタは不可)
- 母子健康手帳
- 届出人の身分証(本人確認のため)
- 国民健康保険証(国民健康保険加入者のみ 15)
- 預金通帳(手当の振込先口座がわかるもの、父または母名義の児童手当等申請者のもの 16)
また、届出が済むとさまざまな書類・冊子をもらうこともありますので、それらを入れる袋も持参すると便利です。
【まとめ】子供の将来に関わる重要書類。事前に目だけでも通しておこう
ふだん目にする機会のない出生届ですが、自分たちに子供が産まれたことを届け出て、子供の名前・戸籍を登録してもらうとても大切な用紙です。
堅い言葉がたくさん表記された用紙のため、わかりにくい部分もあるかと思います。だからこそ、事前にどんな様式なのかざっくり確認しておくと、赤ちゃんが生まれた後もあわてずに済むのでおすすめですよ。
次に読む
Notes:
- 東京都江東区 公式サイト「出生届」を参照 ↩
- 法務省 公式サイト「出生届」ページの「申請書様式」の欄を参照 ↩
- 東京都品川区の公式サイト・練馬区の公式サイトを参照 ↩
- 東京都練馬区 公式サイト「よくある質問と回答」を参照 ↩
- 東京都練馬区 公式サイト「よくある質問と回答」を参照 ↩
- 法務省 公式サイト「出生届」ページの記載例を参照 ↩
- 千葉県千葉市 公式サイト「戸籍届出説明(出生届)」を参照 ↩
- 群馬県板倉町 公式サイトの記載例を参照 ↩
- 法務省 公式サイト「出生届」ページ「提出時期」の欄を参照 ↩
- 法務省 公式サイト「出生届」ページ「提出時期」の欄を参照 ↩
- All About 「出生届はいつ、どこへ出す?」を参照 ↩
- 神奈川県横浜市 公式サイト「出生届」を参照 ↩
- 東京都福祉保健局 公式サイト「児童手当」を参照 ↩
- 東京都練馬区 公式サイト「よくある質問と回答」を参照 ↩
- 東京都練馬区 公式サイト「加入の手続き(国保)」を参照 ↩
- 埼玉県所沢市 公式サイト「児童手当 認定請求・各種手続きについて」を参照 ↩
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