お宮参りは、赤ちゃんが生後1カ月を迎えたころ、神社を参拝して健やかな成長を祈願する儀式です。両家の祖父母がそろって参加しお祝いすることもよくあります。とはいえ、「お宮参りで祖父母は何をするの?」「お祝い金はいくらくらい?」「服装はどうする?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は、お宮参りの流れやしきたり、祖父母から渡すお祝い金の相場、ふさわしい服装などについて解説します。
目次
お宮参りにおける祖父母の役割は?どのようなしきたりがある?
お宮参りに参加するにあたって、祖父母は何をするべきなのか気になっている人もいるでしょう。そこで、ここではお宮参りの一般的な流れを説明し、しきたり上の祖父母の役目や、どちらの祖父母が参加するべきかなどについて解説します。
お宮参りの一般的な流れとは?
お宮参りは、生まれた土地を守護する神様に赤ちゃんの誕生を報告し、健やかな成長を祈願する行事です。「お宮参り」のほか、「初宮参り」や「初宮詣」などと呼ばれることもあります。一般に、お宮参りは赤ちゃんが生後1カ月を迎えるころに行うものとされますが、お母さんや赤ちゃんの体調を考慮して時期をずらすことも少なくありません。お宮参りの方法に決まりやルールはありませんが、一般に多いのは以下のような流れです。
お宮参りの一般的な流れ
- 神社で祈祷を受ける
- 記念撮影をする
- 食事会をする
本来、お宮参りは地元を守護する氏神神社で実施するものですが、有名な神社などで行う家庭も増えています。記念撮影は、「出張カメラマンに依頼する」「写真スタジオにお願いする」「自分たちで撮影する」といった方法があります。写真スタジオで撮影する場合は、予約に遅れないように時間を調整することが必要です。出張カメラマンに頼めば、移動の手間がかからないためスムーズに進められます。
お宮参りには誰が参加すべき?祖父母は?
昔は、お宮参りは赤ちゃんと父親、父方の祖父母で行いました。これは、産後まもない母親はまだ「けがれの期間」にあり、神社への参拝は避けるべきと考えられていたためです。しきたりでは、赤ちゃんを抱っこして祈祷を受けるのは父方の祖母の役割とされました。
しかし、現在ではそのような風習は薄れており、父方の祖父母だけが参加するものではなくなっています。「赤ちゃんと両親だけで行う」「赤ちゃんと両親、両家の祖父母がそろって参加する」など、家庭によってさまざまです。祖父母は、赤ちゃんの両親が決めたスタイルを尊重してお祝いすればよいでしょう。
祖父母が参加できない場合は、以下も参考にしてください。
» お宮参りのお祝い金の相場はいくら?
» お宮参りの費用は誰が払う?
» お宮参りに祖父母が参加できなくて寂しい…他の人はどうしてる?
お宮参りでの祖父母の服装は?和装にすべき?
お宮参りに参加する場合、どのような服装にするかは悩むポイントです。一般的には和装のイメージがありますが、洋装でも問題はありません。ただし、他の参加者の服装と比べてあまりに華美だったりカジュアルすぎたりする格好は避けた方が良いでしょう。両家の祖父母がそろって参加する場合、可能であれば相手方がどのような格好にするつもりかを確かめ、合わせるようにすると安心です。
ここでは、祖父と祖母にわけて服装のポイントを解説します。
祖父の服装のポイント
祖父の場合は、礼服やスーツを着用することが一般的です。祖母が和装でも祖父は洋装というケースも珍しくありません。ブラックフォーマルスーツやダークスーツを選びましょう。もちろん、和装でも構いません。
祖母の服装のポイント
祖母の場合は、和装・洋装のどちらもよく選ばれます。和装にするのであれば、着物の格式に注意しましょう。着物の格は、黒留袖がもっとも高く、色留袖・訪問着・付け下げの順に下がります。五つ紋の色留袖は黒留袖と同格の扱いです。
五つ紋とは、着物に五つの紋を入れることを指します。五つの家紋で血筋や一族があらわされています。五つ紋を入れる場所は、背中心・外袖(左右各1つ)・胸(左右各1つ)になります。それぞれには以下のような意味があります。
背紋(背中心) | 背紋はご先祖様をあらわします。災いは背中から入ってくると恐れられ、背紋によってご先祖が守ってくれるとされています。 |
袖紋(外袖) | 兄弟姉妹、親戚との繋がり |
抱き紋(胸) | 両親との繋がり |
昔はお宮参りの祖母の服装といえば黒留袖でしたが、最近は色留袖・訪問着・付け下げを着る方も増えています。どの格の着物にするかは、祖父や赤ちゃんの両親、相手方の服装を考慮して選びましょう。
洋装の場合はスーツかワンピースがおすすめです。派手なアクセサリーは控えたほうがよいでしょう。
季節別の服装の選び方
服装は、季節や気候を意識して選ぶことも大切です。ここでは、主に祖母を対象として、季節別の服装選びのポイントを紹介します。
春にふさわしい服装は?
春の服装は、和装も洋装もピンクやベージュといった優しく明るい色合いにするのがポイントです。和装にするなら、桜や藤、牡丹など春らしい柄を選びましょう。洋装なら、スーツやワンピースとジャケットの組み合わせがおすすめです。時間帯による気温差が大きい時期なので、ショールやストール、薄手のコートなどを用意して調整できるようにしておきましょう。
夏にふさわしい服装は?
夏の服装は、淡い水色など、涼しげで明るさも感じられる薄色や寒色を選ぶとよいでしょう。和装では、6月と9月は単衣(ひとえ)、7と8月は薄物(うすもの)を着ることが一般的です。紫陽花や朝顔など、夏をイメージする柄を選びましょう。洋装では、ノースリーブのワンピースといった露出の高い格好は避けるべきです。また、暑くてもマナーとしてジャケットやストッキングを着用しましょう。扇子や日傘など、暑さ対策のためのアイテムも用意しておくと安心です。
秋にふさわしい服装は?
秋は、茶色やライトグレーなどの落ち着いた色味を選ぶのがおすすめです。和装では、萩や桔梗、紅葉などの秋をイメージさせる柄を選びましょう。洋装はフォーマルスーツやワンピースが無難です。過ごしやすい気候ですが、冷え込むこともあるため、薄手のコートやショールを用意して調整できるようにしておきましょう。
冬にふさわしい服装は?
冬は、洋装ではネイビーや黒などのシックな色が選ばれることが多くなります。和装は、洋装とは対照的に華やかな色調の着物を選ぶとよいでしょう。松や椿、橘などが冬にふさわしい柄です。コートや手袋など防寒着を用意し、しっかり寒さ対策をしましょう。
祖父母からのお祝い金はいつ渡す?相場はいくら?
お祝い金はいくら用意するものか、いつ渡すかも、悩むポイントです。ここでは、お祝い金の相場や渡すタイミングについて解説します。
お祝い金を渡すタイミング
祖父母からのお祝い金は、お宮参りに参加するのであれば当日に渡せばよいでしょう。参加しない場合やお宮参りの準備に役立ててほしいのであれば、事前に渡しておくのがおすすめです。郵送する場合は、現金書留で送ります。
お祝い金の相場
祖父母からのお祝い金の相場は、5,000~10,000円です。ただし、神社に支払う初穂料や産着、記念写真の撮影代といったお宮参りで必要な費用を祖父母が負担する場合は、別でお祝い金を用意しないことも珍しくありません。
のし袋の書き方
お祝い金は、お札をそのままの状態で渡してはいけません。なるべく新札を用意し、のし袋に入れて渡すのがマナーです。
のし袋は紅白で蝶結びの水引がついたものを用意
のし袋にはいろいろな種類があり、お宮参りのお祝い金を包む場合は紅白で蝶結びの水引がついたものを選びます。
のし袋の表書きの書き方
表書きは、水引の上に「お祝い」「御祝」「祝御宮参」「祝初宮参」のいずれかを書き、下に贈り主の名前をフルネームで記載しましょう。
のし袋の中袋・裏面の書き方
また、のし袋には中袋があるタイプとないタイプがあります。中袋がないタイプを使うなら、のし袋の裏面に贈り主の名前と住所、金額を書きましょう。
中袋があるタイプなら、中袋の表面に金額、裏面左下に贈り主の名前と住所を記載します。
金額は旧字体で書くのが決まりです。5,000円なら「伍阡円」、10,000円なら「金壱萬円」などと書くので気をつけましょう。
その他のよくある疑問
祖父母がお宮参りに参加する場合によくある疑問を取り上げ、解説します。
赤ちゃんは誰が抱っこする?
かつては、お宮参りで赤ちゃんを抱っこするのは父方の祖母の役割でした。しかし、そのようなしきたりは薄れており、現在では誰が抱っこしても構いません。体調に問題がなければ赤ちゃんのお母さんでも、お父さんや祖父が抱っこしてもよいでしょう。1人がずっと抱っこし続けるのも負担が大きいので、順番に抱っこするのもおすすめです。
産着は誰が買う?
昔のしきたりでは、赤ちゃんの産着は母方の実家、初穂料は父方の実家が用意することが一般的でした。しかし、「産着は母方が用意するもの」との考え方は薄れつつあり、誰が赤ちゃんの産着を購入しても問題はありません。とはいえ、どちらの祖父母も「かわいい孫の衣装だから、うちで用意したい」と考えていることもありえます。そのため、事前に両家の祖父母と赤ちゃんの両親で話し合い、各家庭の意向を確かめたほうがよいでしょう。なお、産着は、購入せずにレンタルを利用するケースも増えています。
祖父母は手土産を用意するべき?
お宮参りに招かれた祖父母は、特に手土産を用意する必要はありません。むしろ、赤ちゃんの両親がお祝いに来てくれたお礼として手土産を用意しているケースが多いでしょう。
お宮参りの費用は誰が払うの?
お宮参りで必要な費用には、初穂料、赤ちゃんの産着代、記念撮影料、食事会の代金などが挙げられます。かつては、初穂料は父方の実家が、産着は母方の実家が用意することが一般的でした。しかし、そのような風習はなくなりつつあり、現在では誰がどの費用を用意すべきかの決まりはありません。赤ちゃんのパパママが払うことが一般的ですが、祖父母がお祝い金の代わりとして支払うケースもあります。その場合は、どちらか一方の祖父母の負担が大きくならないように、事前に相談して調整することが大切です。
祖父母が参加できなくて寂しい…他の人はどうしてる?
最近はしきたりにこだわらず両家の祖父母が参加することも増えていますが、祖父母が参加できない場合もあります。例えば、風習を重んじる家の意向で、母方の祖父母が参加しないこともあるでしょう。また、祖父母が遠方に住んでいて予定が合わない場合は、祖父母は参加せず、赤ちゃんと両親だけで行うことがあります。
祖父母が参加しないことに納得しているのであれば問題ないですが、参加したいのに参加できないのは残念ですよね。そのような場合の対処法として、お宮参りを2回実施する家庭もあるようです。赤ちゃんの晴れ姿をどうしても見たいまたは見せたい場合は、参加できなかった祖父母と一緒に2回目のお宮参りをすると良いでしょう。
また他の方法としては、お宮参りの記念写真を祖父母に送るのもおすすめです。お宮参りの出張撮影サービスなら、神社でお宮参りをする時の赤ちゃんや家族のさまざまな様子をプロカメラマンに撮影してもらうことができます。一生に一度の赤ちゃんの晴れ姿を出張カメラマンに撮影してもらってはいかがでしょうか。
» お宮参りの出張撮影例
» 出張撮影を禁止されている神社(仏閣)について
【まとめ】お宮参りはしきたりにこだわらず皆でお祝いしよう
祖父母がお宮参りに参加する場合、服装は和装でも洋装でも構いません。お祝い金の相場は5,000~10,000円ですが、お宮参りの費用を負担する場合はお祝い金を渡さないこともあります。事前に両家の祖父母で確認し、服装の格を合わせたり費用をどうするかを決めたりしておけば安心です。お宮参りのしきたりにこだわらず、各家庭のスタイルに合った方法でお祝いしましょう。