「節句」とは、日本の暦(こよみ)において、伝統行事を実施する「季節の変わり目となる日」を指します。
そのなかで、「初節句」とは赤ちゃんが初めて迎える節句をいいます。今回は、初節句の意味・起源・お祝いの仕方についてご紹介します。
現代に伝わる初節句の意味とは?
赤ちゃんの健やかな成長を願う行事
初節句とは、赤ちゃんが初めて迎える「節句」のことを指します。赤ちゃんが無事に、健やかに成長するよう願う行事です。
諸説ありますが、生まれて21日以内に節句を迎えるようであれば、初節句を翌年に持ち越すこともあるようです。ただ、家庭によっては初宮参りと初節句をいっしょにお祝いすることも多く、「これが正解!」という方法はないようです。
現代の初節句はどんなもの?
女の子は3月3日の桃の節句に雛人形を、男の子は5月5日の端午の節句に五月人形を贈り、両家の両親を招いてお祝いをするのが通例です。
また、お雛さまや五月人形は、赤ちゃんを厄災から守る「身代わり人形」としての役割もあるため、節句の時期に飾っておくと良いとされています。
男の子と女の子で違う初節句の由来
節句は「節供」とも書くことから、「季節の節目にお供え物をしたあと、お供え物を下げ、神様といっしょにそのお供え物をいただく」という習わしがありました。
また、その節句を祝う行事として、古来日本の宮廷では「節会(せちえ)」という宴会が開かれており、そこで初節句を祝ったのが桃の節句・端午の節句の始まりとされています。
女の子の桃の節句の由来
平安時代の貴族は「人日・上巳・端午・七夕・重陽」という節句に、身の穢れ(けがれ)を清めていました。
なかでも「上巳(じょうし)の節句」は、野山で摘んだ薬草で厄災を払い、身を清めたと伝わっています。なお、上巳の節句とは「3月上旬の巳の日」のことで、これが「桃の節句」の由来です。
また、江戸時代に正式な祝日として定められたことから現在の雛祭りへと発展したといわれています。
男の子の端午の節句の由来
中国で「端午」というと、月初めの午の日のことを指します。「午」は「五」とも読めるため、最終的に5が重なる5月5日が「端午の節句」として定められました。
中国では、端午の日には菖蒲(しょうぶ)を玄関先に飾って厄災を払ったといわれています。日本でも、農繁期の前に女性が家にこもって身を清めた「五月忌み(さつきいみ)」という風習がありました。これら中国と日本の習わしが結びついたことが端午の節句の始まりとされています。
男の子と女の子によって微妙に違う? 初節句のお祝い方法
女の子の場合、双子・次女・三女… はどうなるの?
雛人形は、母方の祖父母が贈ると良いとされています。
また、雛人形・五月人形はもともと子供の厄災を引き受ける「身代わり人形」という意味があることから、一組の人形を「お下がり」として次女、三女に引継ぐのはよくないとされています。理想的なのは「娘ひとりひとりに新しい雛人形を贈る」ことです。
なお、次女・三女が生まれた際には、新しく人形を購入するのが良いとされていますが、雛人形以外の人形を足していくと良いともされています。この場合、長女に雛人形、次女以降(双子も同様)に、「市松人形」や「つるし雛」を足して初節句をお祝いするのが通例のようです。
男の子の場合、双子・次男・三男… はどうなるの?
五月人形は、父方の祖父母が贈ると良いとされています。また、雛人形と同様に、五月人形もひとりひとりに新しい五月人形を贈ることが理想的のようです。
ただ、次男・三男が生まれた場合、五月人形は雛人形のように「新しい人形を足していく」というよりも、長男が持っていない「鎧兜」などを足していくことが通例のようです。
【まとめ】伝統的な祝い方を知り、赤ちゃんの成長を祝ってみよう
赤ちゃんを厄災から身を守ってもらえるように願い、人形を贈る初節句。
しきたりを厳密に守る必要はありませんが、せっかくの伝統行事を昔ながらの方法でお祝いしてみてはいかがでしょうか?