10月11日が何の日だったか、ご存知でしょうか?
カミングアウトデー (英語: National Coming Out Day、NCOD) は、自身の性的指向や性自認をカミングアウトしたレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)の人々を祝い、人々の認識向上を目的とした記念日。
毎年10月11日がこの日にあたり、世界中のLGBTコミュニティで祝典などが行われている。
–Wikipediaより引用
出張撮影マッチングサービス『fotowa(フォトワ)』は、は2016年2月末にサービスを開始して以来、様々な「家族のカタチ」を撮影してきました。
「家族」とはなんでしょう。
結婚制度? 血縁関係?
でも、血が繋がらなくても親子は親子だし、たとえ、誰が認めなくても飼っている犬や猫だって家族です。
自分が誰かを家族だと認めたら、相手はかけがえのない大切な「家族」です。
fotowaは「自然体であること」を大事にしています。
その人らしく、その家族らしく、あるがままのスタイルを。
だから、本当は「LGBTだから」とか「LGBTのための」という、くくり方をするつもりもありません。
でも、だからこそフラットに、どんな人でもどんな家族でもオッケー!
ということを伝えたくて、fotowaは、10月11日のカミングデーの前日にあたる10月10日に、LGBTに関連する様々なサービスを運営する株式会社レティビーと協力して
LGBT当事者およびその家族を対象とする「自分たちらしい家族写真」を残すフォトセッション『LGBT家族の絆〜カミングアウトデー フォトセッション〜』を開催しました。
参加してくださった家族は5組。今回は、その時の様子をレポートいたします!
目次
2人の写真を誰かに撮ってもらったのは初めてでした
1組目は、こちらのおふたり。
「どんな風に撮りましょうか?」と、この日フォトグラファーとして参加した中村レオさんが尋ねると、「sexy」とお茶目に笑いつつ、「ふたりで自然な様子で。おまかせします」とオーダー。
大丈夫、fotowaのフォトグラファーはそういうの得意です!
最初は照れくさそうな様子でしたが、秋の香りをまとう代々木公園をふたりで歩いてもらううちに、表情も柔らかくなってきました。
何気ないおしゃべりや、アイコンタクト、微笑み合う様子を、パシャリパシャリ。
ごく自然な様子を切り取るうちに見えてくるのは心の通い合う様です。
見ているわたしたちまで、なんだかほっこりと幸せな気持ちになってきます。
きっと、お互いを思い合うあたたかな気持ちが伝わってくるからなのでしょう。
自撮りをすることはあっても、ふたりの写真を撮ったことはなかったそうです。
おかげで、撮影後は「すごく新鮮でした」と喜んでいただきました。
いろいろな愛のカタチがあることを理解してほしい
2組目は、米国ですでに婚姻を結んだというこちらの家族。
約20年パートナーとして人生を歩んでいるおふたり。
寄り添う姿からも、長年連れ添っている家族にただよう落ち着きとやすらぎがあります。
「旦那さんは生涯の友であり、理解者であり、かけがえのない存在」
と、絆を語ってくれました。
手をつなぐ姿にも、そっと寄り添う姿にも、パートナーとして共に歩んできた時間と育まれてきた絆のしなやかさを感じます。
今回のフォトセッションには「後進のために参加しました」とのこと。
生涯のパートナーと出会った20年前に、友人や兄弟、両親、そして職場の人たちにカミングアウトしていったそうです。「早く言ってくれれば良いのに」と言ってくれる友人がいる一方で、「仕方ないか」と認めてくれた家族たちも、世間にはあまり知られたくない様子だと言います。でも、だからこそ、
「カミングアウトしないと何おはじまらない。もっっと自分という存在の意味や大切さに自信を持って生きて欲しいです」とのこと。
「僕達がこういうイベントに参加したり、発信することで、世間の人たちにいろいろな愛の形があることをご理解いただければ幸いです」とフォトセッションへの意気込みを語ってくれました。
結婚するときも写真を撮ったというおふたりからは、「これが自分たちの家族や愛のカタチです」という堂々とした意志が感じられるようでした。
来月結ぶパートナーシップに向けて記念写真を残したい
3組目はとてもクールで大人の雰囲気をまとうこちらのおふたり。
来月にはパートナーシップを結ぶそうです。
「恋人のような親友のような姉妹のようなパートナーに出逢えたことに感謝しています」と、幸せそうな笑顔をみせてくれました。
カミングアウトは昨年のこと。
お母様と息子さんに打ち明けたそうです。
「母は最初はびっくりしていましたが、テレビで同性婚のニュースを観ていて、レズビアンへの知識もあり、もしかしたら娘もそうなのかなと思っていたと話してくれました。パートナーシップを認めてくれて嬉しさもありましたけれど、安心した気持ちの方が強かったです」
息子さんも、「世の中にはいろいろな人がいるから良いと思うよ」と認めてくれたそうで、打ち明けた当日は衝撃を受けた様子でしたが、今では彼女と三人で食事に行く関係だそうです。
一方で「親へのカミングアウトは必ずしもした方がいいとは思いません」ともおっしゃっていました。理由は、今までの関係が崩れる可能性があるから。
「ただ、強い意志と絶対に幸せになれる、笑顔でいられると思う気持ちがあるならカミングアウトはした方がいいと思います」とおっしゃっていました。
ふたりの笑顔からは、たしかに幸せへの強い意志が感じられました。
自分が「家族」をつくるとは思わなかった。世界は意外とやさしい。
続いては、こちらのおふたり。
とにかく、ものすごく仲良しで明るいおふたり。
「なかなかふたりで写真を撮ることがないので嬉しいです」と、撮影中も楽しそうにはしゃいでいました。
見ているこちらも思わず、「ごちそうさまです♡」という気分に。
現在は5人のシェアハウスで楽しく暮らしているというおふたり。
「(自分たちがLGBTであることに対して)困っていることはなにもないんですよね」
と、今の自分たちの在り方をありのままに楽しんでいる様子で話してくれました。
「自分たちが胸を張って、堂々と人生を謳歌していれば、きっとみんな受け入れてくれる。もし、受け入れてもらえなくても、その先にもっと楽しい世界が待っています。受け入れられない人と無理に一緒にいなくてもいい。受け入れてくれる人たちといると、自然とそういう人たちが集まってくるように思います。世界は意外とやさしいです」
自分らしく、自分たちらしくいること、人生を楽しむこと。
堂々と、しなやかに生きているおふたりは、キラキラ輝いていました。
大事なことは「幸せであること」
フォトセッション最後のご家族はこちら。
おそろいの蝶ネクタイがキュートなおふたりは、米国で結婚。
ふだんは、ふたりで写真を撮るということもないそうですが、
「日本のLGBTに少しでも貢献できれば」と、今回のフォトセッションに参加してくれました。
「僕たちが若いときは、インターネットなんかなくて、こんな風に思っているのは自分だけかもしれないって思っていました。でも今は、これだけ(LGBTやセクシャルマイノリティという)言葉も普及しているんだから、そんなに悩まなくてもいいと思っています。最初から全部を受け入れてもらおうって、期待値を上げすぎるから怖くなる。相手が受け入れてくれるかどうかではないんです。だって、僕たちはこういう個性を持って生まれてきたのだから、それはどうこう出来る問題じゃないでしょう」
そう言って、ふたりで寄り添って、信頼しきった優しい笑顔をこぼし合う姿は、どうみても幸せそのものでした。
たとえば、背が髙いとか低いとか、目が大きいとか小さいとか。
たとえば、ピーマンが好きとか嫌いとか。
それはもって生まれた特徴で、趣向で、自分が選んだものではありません。
誰にとやかく言われたところでどうしようもないし、筋合いもない。
誰だって、自分にはない何かに悩んだり、羨んだり、他人と違うどこかをみてコンプレックスを抱いたりする。
でも、本当はそんなことどうでもよくて、大事なことは「幸せであること」なんだと、気づかせてもらったように思います。
最後に、これからカミングアウトする方にメッセージをいただきました。
「簡単ではないし、必ずしも期待しているような良い結果が出るとは限りません。しかし、経済的に自立していて、自分がどう生きたいのか、誰と生きたいのかがハッキリしているならする価値はあります。是非検討してみてください、きっと道は開けます」
フォトセッション中は、どの家族からも、
お互いへの優しさや慈しみや信頼が感じられました。
出来上がった写真からは、その時に漂っていた幸福な空気も一緒に写っていました。
このページを読んでくださっている皆さんも、今頬が緩んでいませんか?
家族っていいものですね。
fotowaは、自然体であることにこだわって、気軽にプロに家族写真を頼めるサービスとして、これからもフラットに運営してまいります!
今回の担当フォトグラファー
中村レオさん
車や時計など「愛用品」から、大事な家族などまで、依頼者にとって「想い」が込められたものなら、なんでも撮影します。
被写体を楽しませながら撮影するスタイルと、キレイな写真の仕上がりで、依頼者さんからの評価も非常に高いです。